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高森明勅
2018.5.5 09:00

元号と「ご聴許」

元号を改める場合のポイントは
「ご聴許(
天皇陛下が聞き入れてお許しになること)」。

時事通信の記事「新元号の選定本格化」(5月5日8時22分配信)
によると、「
昭和」から「平成」への改元に当たり、
閣議で正式に決定する前に、今上陛下にご報告していた。

当時の石原信雄内閣官房副長官から宮内庁に
陛下のお耳に入れて欲しい」と連絡。

恐らく藤森昭一長官を通じて、事前に「平成」
という元号を
お伝えしていた。

これによって、予め天皇陛下の「ご聴許」を戴いた上で、
新元号が決まったと見る事が出来る。

つまり「内閣の元号」ではなく「天皇の元号」
という
伝統を守る手順は、ギリギリ踏まれていた。

この度の報道で、その事実を改めて確認出来た。

来年に予定されている改元でも、
くれぐれも「ご聴許」
を欠かしてはならない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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